ニームの安全性

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ニームの安全性

ホームページに“IS NEEM SAFE?”という論文があったが、要はニームがいくら安全だといっても、飲むということには注意をしなければならないということが書かれている。
全くその通りで、天然だから、植物由来だから安全と理解しがちだがそうではない。現代の分析機器では検出されない成分もあると理解し、取扱いには常に注意が必要だと思う。

歴史的願望

ニームの安全性は、少なくともこの4,000年、インドで人間や動物に対して広範囲に使われていることである種証明はされている。葉は動物の飼料として使われているし、果実を人間も鳥も食べている。シード核や葉は、辛いインド料理に苦味のあるスパイスとして用いられることもある。マハトマ・ガンジーは健康のため、チャツネ(インドの果物)とニームの葉とを決まって食べていたのである。大勢の人が食後、消化促進や口内バクテリアを殺菌するために、一粒、二粒のシード核を食べている。

アメリカのお母さんがキャスターオイルを使っているように、ニームオイルは病気の時によく使われてきている。インドでは、ニームの葉をお風呂にいれることもよくある。ひどい皮膚病に対するアレルギー反応を抑えるのに、ニームの葉を入れて入浴することは実用的である。ニームオイルや葉を皮膚に塗っても、何ら問題はない。実際、ニームを皮膚に局部的に塗るだけで、いろいろな皮膚病を治すことができると言われている。

毒性について

ニームの葉や樹皮を飲んだとしても極めて毒性が低いことが証明されているが、しかしながら多量にニームの葉を口に入れると、動物によっては副作用が出てくる。この事は、多量に、長期間に亘りニームを飲むことはよくないことを示している。

アメリカを初め多くの国の公的機関でニームオイルの研究調査がされているが、短期間で、限定して飲みさえすれば安全であることが確認されている。EPAでの試験では、ニームシードのアルコール抽出物をラットの皮膚を塗っても刺激性がなかったこと、多量にマウスに投与しても何ら毒性作用がなかったことが確認されている。

経験的に、ニームオイルを飲むと吐き気や不快感を催す人がいるが、これはオイル中の硫黄化合物によるものと考えられている。粗ニームオイルを過剰に飲むと肝臓機能が低下
することもある。ニームオイルを飲むことによる毒性作用についてはいろいろ議論があるが、その毒性作用の原因にはアフラトキシンの存在やchinaberry treeのオイルを何も考えずに添付することによるものと考えられている。このオイルはニームと結びついて毒性を示し、副作用を起こす。

ニームオイルを飲むことの毒性に関する明らかな証拠はないが、飲む際には注意を払うにこした事はない。インドではニームオイルを少量であったとしても頻繁に飲んではいるが、食用オイル並みに処方したニームオイルの毒性がはっきりするまでは飲むのは薦められない。因にWHOとFDAのガイドラインに沿って処方した苦味のないニームオイルではシードオイルと同水準量飲んでも、人には安全であることが確認されている。

薬や樹皮も適量であれば問題がない。しかしながら、ニームには多くの活性成分が含まれていて、いわば薬草に分類されるべきものであるので、慎重に使わなければならない。
どんな物質にもあるように、ニームを受け付けない人もいる。インドの人は食物に入れたり、薬として使用したり、健康のために使ったり、ニームと一緒に育ってきている。中には大量のニームの葉を食べたり、オイルを飲んだりする人もいるが、それでも病気にかかることはない。しかし、ニームに慣れていない人は、生体化学に基づく許容量レベルがはっきりするまでは慎重につかった方がよい。どんなものでもそうだが、好ましくない結果がでれば、使うのを止めるか量を減らさなければならない。これはニームでも同じである。

留意事項

ニームは極めて安全であるということで、インドでは何世紀か経った今でも食べたりしているし、歯磨きブラシに使ったり、昆虫が食べないように食物の中に入れたりしている。
実際、何か問題があったということも報告されていない。インドやアフリカの子供たちはニームフルーツを喜んで食べている。ラットにニームオイルを飲ませると病気になるどころか反って体重が増えるという結果も出ている。ドイツでは精製したニームオイルを
5,000mg/kg以上飲ませても毒性がないことも分かっている。アメリカのEPAで、商品化されているニーム製品 Margosan‐0をテストしているがラット、アヒル、ラビットや蜂には、特別に毒性がなかったことが確認されている。
しかしながら、アジアやアフリカで伝統的にニームが大量に使われていると言うもののもっと研究がされて明らかになるまでは、一般に、飲んだりすることには注意することが肝要である。アジアで長年使われて来たといっても、ニームは専門家である医者の処方に
よって使用されているので安全であったのである。