原料:アザジラクチン

  • ニーム資材

ニームオイルに詳しい方ならご存知だと思いますが、今回はニームオイルの主成分だと言われているアザジラクチン(通称:AZA)について書きたいと思います。

AZAとは?

AZAとはニームオイルの中に含まれている成分の一つです。
英名『Azadirachtin』と書くためAZAと呼ばれています。
主に忌避効果/拒食効果/脱皮・変態阻害効果/産卵率低下/羽化率低下/耐バクテリア効果などがあると言われ、その高い効力からニームオイルの主成分だと呼ばれています。
ちなみにAzadirachtinは代表的な活性成分のAZA-A・AZA-Bの他、AZA-F・AZA-H・AZA-Iやサランニン、ニンビンのようなテルペノイド類等を含んでいます。

製造・抽出方法は?

AZAは液体ではなく粉末です。AZAを舐めると強烈な苦みがあります(虫が逃げ出したくなる気持ちがよく分かります)
抽出の原料はニームの種子。
種子を粉砕し溶剤など親水性有機溶媒により成分を抽出、それを分画し回収した混合物です。
混合物‥そうです、抽出されたAZAは成分100%ではありません。この世にAZA100%と言われる原料はありません。全て不純物も混在した状態です。ですので商品に添加する際は常にAZAとして何%入れるかを計算して設計しています。
当社では数種のAZAを取り扱っていますが、グレードによりAZAの含有率も金額も様々。含有率の高いAZAは1㎏=数十万円もします。

AZAの画像(写真左側の袋に入った粉末が40%含有のAZA、右側は25%含有のAZA)。
純度の低いAZAは残渣が多く溶解性が悪いので、当社では純度の高いAZAをメインに使用しています。
AZAは油性のため水には溶けません。アルコールや溶剤に溶けます。
もちろんニームオイルには溶けますが、常温だと20%含有のAZAで残渣含めて10000ppmが溶解限界(AZAとして計算すると2000ppm)。
粉末のままだと安定性も悪く酸化しやすい物質なので保管も難しい物質です。

なぜ虫に効果あるの?

簡単に説明すると、AZAは昆虫のエクダイソン(ホルモン)に似ているため、昆虫の体内に入ると勝手に体が誤作動を起こします。
*さらに詳しく知りたい方は「エクダイソン」を調べてみてください